【続】恋愛のやり直し方

お腹の下の方にグッと力をいれて、少しだけ挑むような覚悟を決めて話す。



「私は、こちらでアシスタントをさせていただいてます」


名乗ろうか迷ったけれど、相手が分からないからやめた。




簡単に名乗らないことってことは、付き合いだしてすぐに友田に言われてたことだった。


今話題のイケメン恋愛小説家は、プライベートへの興味も注目されているらしく、おもしろおかしく伝えられることも少なくない



それらから私を守るためにも、私自身にも気を付けなくてはいけないことが何個かあった




その一つがこれ。


もちろん相手が誰かってことが分かったら名乗るつもりではいる。




今度は、私が相手の出方を待つ番。





すると、その反応は思ったよりも早かった。




「クスッ。じゃあ、あなたが森嶋綾さんね?」


その声は断定的で威圧的だった。



「どちらさまですか?」