【続】恋愛のやり直し方

なんの変化もない水曜日。

今日、友田は雑誌の取材で、朝から出掛けていた



よく晴れた空を眺めながら、いつも通り洗濯物を干していると、家の電話が鳴った。




この電話が鳴るのは珍しくはなかった。


馴染みの出版社は直接友田の携帯にかけることが多いけど、新しく依頼する出版社なんかは、こっちの電話で依頼してくることが多い。


だから、その電話もなんの準備もないまま出てしまった。



「はい」


「………」




「もしもし？」



「………」




こちらの声が聞こえていないのだろうかと思ったけれど、受話器の向こう側から外の音が聞こえる。



ってことは、こちらの声も届いているハズなんだけど…………



もしも、これの電話が自分の電話ならば、間違いなくここで切っていたと思う


だけど、もしかしたら、大事な出版社からの電話だったらと考えると、そう邪険に切るわけにはいかない。