【続】恋愛のやり直し方

「あ……」



いま、この展開からのさっきの話って……。

なんとか仕切り直せないだろうかと、またも逃げの思考




あぁ、相変わらずだな。私





「綾、話してごらん?」





そっと撫でられる髪。
優しい友田の手のひらから暖かさが伝わってホッとする。




すでに私にとって友田に髪を撫でられることは、おまじないのようになっている。




「あ、あのね。ここに私が住み始めて1か月たったけど、そろそろナオ、疲れてるんじゃないのかなって……」



遠まわしに探ってみようかとも思った。
だけど、相手は友田だ。


どうせ、私が知恵を振り絞ったところで本質をあっさり見抜かれてしまう。



それに、変に隠したりして、余計な誤解を招いたりするのも嫌だった。





「綾は?綾は疲れてない?」




「え?」




どこかで『違うよそんなことないよ』と否定して欲しかったのかもしれない。
友田が発した最初の言葉がそうではなかったことが、私をズシンと沈めた。