【続】恋愛のやり直し方

そして、吐息が肩にかかったその瞬間





「痛っ!」




チクリと刺すような痛みが首筋に走る。
それは、間違いなく



『これは俺のだ』と主張する印。





驚いて友田の顔を見上げると、「まぁいいかっ」とニッと笑う満足げな顔をしている。

さっきまで怒っていたのは気のせいだったのだろうか?





そして、呆然と立ちすくむ私を残してサッサと出て行った友田。

その背中を見送って、目の前の大きな鏡に映る自分の姿を見つめると、首筋に赤く残る友田の印。





「こ…コレ。隠れない」




絶妙な位置に付けられたソレは、服では隠せない。
仕方なく束ねていた髪を下ろしたけれど、隠すことができるか不安。





必要最低限の化粧品しか持ち歩かない私の手持ちのモノでは上手く隠すことなんて到底無理。




「はぁー」



いつまでもそこに留まっていても消えるわけじゃない。
仕方なくそのまま下を俯いて部屋を後にした。