【続】恋愛のやり直し方

一歩前に進む度、友田との思い出が次々に思い出される。



始まりは最悪だった。




あの時の私に、今こうして友田のもとへとバージンロードを歩いてるなんて、想像もできなかっただろう。



友田の家で働き、乱れた生活に何度呆れた事だろう。





なのに、原稿に真摯に向き合い、まるで自分を削るように書き上げる姿に、いつの間にか惹かれてた。




私をただ荒波から遠ざけるだけじゃなく、荒波の中でも泳ぎきる術を教えてくれようとした友田。




いつでも私の話を……その下の気持ちまで受け取ってくれる友田。




子どものように拗ねたり妬いたり……




友田との色々な場面や、彼の顔が次から次へと浮かんできて、思わずクスリと笑ってしまった。




「ん?」




と反応した父に「なんでもない」と小声で答えると、「そんなに彼の所へ行くのを喜ばれると、僕の立場がないな」と失笑された。





友田まで数歩手前、父が立ち止まったのに合わせて私も歩を止める。



腕に絡ませた私の手をそっと包み込み、自分の腕から離す父は、目を細めて私を見下ろす。