母だって辛かったり、悲しかったりするのに、私のためにいつも笑ってくれていると察したのはいつだったのだろう。
母に心配をかけちゃいけないって、自分で勝手に思い込んだ結果、私は母に素の自分を見せられなくなってしまった。
皮肉にも、お互いを思いやればやるほど、距離ができてしまっていたのかもしれない。
もう少し、私が素直に母に甘えられていたら……
「お母さん…素直な娘じゃなくてごめんね。でも、お母さんから愛されてるって分かってたから。
甘えられなかったのはお母さんのせいじゃない。私が勝手にお母さんに負担をかけたくなくて……」
溢れ出した涙で、最後まで言えなくなった。
そんな私を、抱き締める母の胸の中が温かくて、久しぶりにその胸へ顔を埋めてみる。
母の前で泣いたのは、いつ以来だろう?
優しく背中を擦ってくれる手は、遠い記憶にあるそのまま。
「綾は悪くないの。アナタは誰よりも人のことを考えられる優しさを持ってるの。
だから、それを分かって気使ってくれる直樹くんに出会えたことが、お母さんは、とても嬉しいの」
母に心配をかけちゃいけないって、自分で勝手に思い込んだ結果、私は母に素の自分を見せられなくなってしまった。
皮肉にも、お互いを思いやればやるほど、距離ができてしまっていたのかもしれない。
もう少し、私が素直に母に甘えられていたら……
「お母さん…素直な娘じゃなくてごめんね。でも、お母さんから愛されてるって分かってたから。
甘えられなかったのはお母さんのせいじゃない。私が勝手にお母さんに負担をかけたくなくて……」
溢れ出した涙で、最後まで言えなくなった。
そんな私を、抱き締める母の胸の中が温かくて、久しぶりにその胸へ顔を埋めてみる。
母の前で泣いたのは、いつ以来だろう?
優しく背中を擦ってくれる手は、遠い記憶にあるそのまま。
「綾は悪くないの。アナタは誰よりも人のことを考えられる優しさを持ってるの。
だから、それを分かって気使ってくれる直樹くんに出会えたことが、お母さんは、とても嬉しいの」

