【続】恋愛のやり直し方

触れるだけの口づけは、ゆっくりとお互いの気持ちをのせ終わると、そっと離れていく。




少し惜しい気持ちで友田の顔を見上げると、苦笑する友田の顔。




「綾……さすがに、神の前でこれ以上はできないから、そんな目で見ないの」


コツンと額をくっつけて大きなため息を吐く。




「フフフ……ナオでも神様には気を使うんだ」



「言ったね?神にも文句を言わせないように、すぐに綾を俺の奥さんにするからね」



そう言って、私の手を取り、走り出す友田。




「はっ?え?な、なに?」




「いいから黙って付いてきて」




「え…ちょ、ちょっと……」




全速力で走る友田に、足が縺れる。




祭壇横のドアから外え出ると、その先の廊下に部屋がいくつかあった




一番奥の部屋まで一気に走ると、友田はそのドアを躊躇なく開ける。





眩しいほどの陽が差し込んだ部屋。



一瞬目が眩んで中の様子がよく見えなかった。




すると突然──




「遅い!どれだけ待たせるのよ」




不機嫌全開の怒鳴り声が聞こえてきた。




「はい?えっ?」




聞き覚えのあるその声の持ち主は、カツカツと大袈裟に足音を立ててこちらへ近づいてくる。





「友田ちゃん、時間おしてるの。さっさと退出してちょうだい」




「悪い悪い。じゃあ、後頼んだ」



「言われなくても貴方にもったいないくらいの花嫁に仕上げるわよ」



フンっと鼻息荒く友田をギロリとひと睨みするのは、何度となく私をシンデレラにしてくれた斎藤さん