お陰で友田は、締め切りよりも大分早く原稿を書きあげるハメになった。
なんでも、私と和田女史が二人で接するのを避けたいらしい。
私はといえば、底抜けに明るい彼女とのお喋りは楽しいのだけれど……
担当が変わるときに竜くんが「綾さんが無駄に気苦労しないように、後任の人選はしましたから」と言っていたのは、こういう事だったのかと、後で一人で笑った。
私も少し自立したいと思い、少しでも役立つならと、校正の勉強を始めたけれど、校正の目でみた初稿は、字面だけをおってしまい、せっかくの原稿を楽しむことができなくて、断念した。
せっかくの私の特権──
この世で一番最初に友田の原稿を読めるのに、心から楽しめなくては意味がないし、もったいない。
だから、べつの方法で友田の役に立とうと考えたとき、彼の健康管理にも役立ちそうな『栄養学』を学ぶことにした。
春から通信制大学に通い始めた。
全てが順調で、とても楽しい1年は、あっという間に過ぎた。
なんでも、私と和田女史が二人で接するのを避けたいらしい。
私はといえば、底抜けに明るい彼女とのお喋りは楽しいのだけれど……
担当が変わるときに竜くんが「綾さんが無駄に気苦労しないように、後任の人選はしましたから」と言っていたのは、こういう事だったのかと、後で一人で笑った。
私も少し自立したいと思い、少しでも役立つならと、校正の勉強を始めたけれど、校正の目でみた初稿は、字面だけをおってしまい、せっかくの原稿を楽しむことができなくて、断念した。
せっかくの私の特権──
この世で一番最初に友田の原稿を読めるのに、心から楽しめなくては意味がないし、もったいない。
だから、べつの方法で友田の役に立とうと考えたとき、彼の健康管理にも役立ちそうな『栄養学』を学ぶことにした。
春から通信制大学に通い始めた。
全てが順調で、とても楽しい1年は、あっという間に過ぎた。

