「信じらんない」
正面きって『かわいい』と言われて照れたのが3割。
あとの7割は、素直に『ありがとう』と言うタイミングを逃した事への抗議を込めて、キッと軽く睨む。
「大体、今じゃなくても良かったのに。家に帰ってからの方が直ぐ顔を洗ったりできたし……」
自分で散々泣いておいて、八つ当たりもいいところだ。とは思っても、なかなか素直になれない。
なのに、そんな理不尽な八つ当たりも、クスッと笑って許容してしまう友田。
「今じゃなくちゃダメだったの。それは譲れないよ」
私の頭を、まるで幼子をあやすように撫でながら微笑む友田。
「何で?」
「ん?何でって、時間が経つと一人で無理やり消化して溜め込んじゃうでしょアナタ。
そしたら泣くことを我慢しちゃうでしょ綾は。
そうやって溜め込んで辛くなって疲弊する……そんな綾をもう見たくないんだ」
「ナオ……」
「俺が側にいる。だから、綾は安心して泣けばいいんだよ。
好きな女に泣くのを我慢させるなんて俺は嫌だね」
素直になれなくて茶化したのに……
正面きって『かわいい』と言われて照れたのが3割。
あとの7割は、素直に『ありがとう』と言うタイミングを逃した事への抗議を込めて、キッと軽く睨む。
「大体、今じゃなくても良かったのに。家に帰ってからの方が直ぐ顔を洗ったりできたし……」
自分で散々泣いておいて、八つ当たりもいいところだ。とは思っても、なかなか素直になれない。
なのに、そんな理不尽な八つ当たりも、クスッと笑って許容してしまう友田。
「今じゃなくちゃダメだったの。それは譲れないよ」
私の頭を、まるで幼子をあやすように撫でながら微笑む友田。
「何で?」
「ん?何でって、時間が経つと一人で無理やり消化して溜め込んじゃうでしょアナタ。
そしたら泣くことを我慢しちゃうでしょ綾は。
そうやって溜め込んで辛くなって疲弊する……そんな綾をもう見たくないんだ」
「ナオ……」
「俺が側にいる。だから、綾は安心して泣けばいいんだよ。
好きな女に泣くのを我慢させるなんて俺は嫌だね」
素直になれなくて茶化したのに……

