【続】恋愛のやり直し方

フゥーっと大きく息を吐いた母を見て、まともに息をしていなかったことに気付き、慌てて息を吸う



息苦しさの理由はそれだけじゃないとは思うけど、何度かゆっくりと息を吸うと、少しだけ軽くなった気がした。



「大丈夫か」と尋ねるように、友田の手が私の手をなぞる様に撫でる



その仕草で、『ああ、そうか』と納得する。


私にとって母の告白は、私という人間が今日まで生きて築いてきたものが、ガラガラと崩れ落ちるような事実。



なのに、しっかりと母の話に向き合い、理解しようとする前向きな私がいる。



それはきっと、愛する人に対する母の気持ちが私にも理解できるようになったからだと思う。



紺野さんの為に人知れず私を産み育てると決意した母の愛は、他人からしてみれば、間違っていたのかもしれないけれど、そこにあった紺野さんに対する気持ちは、間違ってないと思う。



私も友田のためにと一度は別れる道を選んだ。



やっぱり、私は母の子なんだと思える。