「さて……友田さん、あなたは綾の心の傷をご存じですか」
「すごく表面的ではありますが知っています」
「そうですか……では、これから私が話すことは、綾の心の傷を抉り出すことになるかもしれません。しっかり支えてやってください」
「はい」
決意を無言で伝えるように、私の手を握る手に力が籠ったのが分かった。
それに答えるように私もその手をしっかりと握り返す。
あなたがいれば大丈夫。という気持ちを込めて。
ゆっくりと私に視線を戻す母。
「綾、これから話すことは、私が死ぬまでこの胸の中に留めておこうとおもっていたことよ。だけどね、最近気づいたの。
私のその身勝手な判断が、あなたをとても苦しめてしまったんだってことを……まずは、ごめんなさい」
何がなんだかわからない私は、深々と頭を下げる母を、ただ見つめるだけしかできない。
「いきなり謝られたって、綾ちゃんだって何がなんだか分からないよ」
戸惑う私に助け船を出すように紺野さんが母の背中をポンと叩く。
「すごく表面的ではありますが知っています」
「そうですか……では、これから私が話すことは、綾の心の傷を抉り出すことになるかもしれません。しっかり支えてやってください」
「はい」
決意を無言で伝えるように、私の手を握る手に力が籠ったのが分かった。
それに答えるように私もその手をしっかりと握り返す。
あなたがいれば大丈夫。という気持ちを込めて。
ゆっくりと私に視線を戻す母。
「綾、これから話すことは、私が死ぬまでこの胸の中に留めておこうとおもっていたことよ。だけどね、最近気づいたの。
私のその身勝手な判断が、あなたをとても苦しめてしまったんだってことを……まずは、ごめんなさい」
何がなんだかわからない私は、深々と頭を下げる母を、ただ見つめるだけしかできない。
「いきなり謝られたって、綾ちゃんだって何がなんだか分からないよ」
戸惑う私に助け船を出すように紺野さんが母の背中をポンと叩く。

