「おっと」と持っていた花瓶を、ベッド横の棚に置く紺野さんは、再び椅子に座りながら、ポンポンと撫でるように母の背中を叩く。
その仕草がとても自然に見えて、ますます紺野さんの存在が分からなくなる。
そして、この部屋で誰よりも近い場所に当然のように座るのも、それを望んでいるように見える母も……全てが不可解すぎる。
紺野さんが誰なのか知りたい。
「あの……お母さん──」
「綾、お母さんの話を先に聞こう」
説明を急かそうとする私の言葉を遮った友田。
「でも……」と納得できない私の手をそっと握り、首を横に振る。
柔らかいけど、キッパリとダメだという友田の表徐に、それ以上何かを言うのをやめた。
まだ少し納得はいかないけれど、友田がそう言うなら、それが一番なのだろうと素直に思えたから。
そんな私たちのやり取りを見ていた母は、フッと笑みを漏らした。
その仕草がとても自然に見えて、ますます紺野さんの存在が分からなくなる。
そして、この部屋で誰よりも近い場所に当然のように座るのも、それを望んでいるように見える母も……全てが不可解すぎる。
紺野さんが誰なのか知りたい。
「あの……お母さん──」
「綾、お母さんの話を先に聞こう」
説明を急かそうとする私の言葉を遮った友田。
「でも……」と納得できない私の手をそっと握り、首を横に振る。
柔らかいけど、キッパリとダメだという友田の表徐に、それ以上何かを言うのをやめた。
まだ少し納得はいかないけれど、友田がそう言うなら、それが一番なのだろうと素直に思えたから。
そんな私たちのやり取りを見ていた母は、フッと笑みを漏らした。

