【続】恋愛のやり直し方

そしてその微笑みを保ったまま母へと向き直る。



「お義母さん、その覚悟ができているから今日はご挨拶に伺いました。

それに、私が彼女が側にいてくれないとダメなんです。だから、彼女の元から逃げ出すなんて事はできないんです」



「……ナオ」




キッパリと言い切った友田の言葉は、私を安心させるには十分で、私の中から尖った気持ちがパラバラに崩れ流れていく。




そうだ。
この人を信用しようって思ったばかりなのに……



「……ごめん」


小さな声に答えるように友田の微笑みが再び私へと向けられる。



そんな私たちのやり取りを見ていた母が、コホンと小さく咳をし、枕もとにあったナースコールのスイッチを押す。



間もなく聞こえた「どうしました?」の声




「忙しいのに、ごめんなさい。今から1時間ほどは人を入れないで欲しいの」



「分かりました」





プツっと切れる音がして、再び訪れた静寂。





「さて、みんなそんなところに立ってないでこっちに座って」



「そ、そうだよね。アハハ……座ろう」






さぁさぁ。と紺野さんが私の背中を押して母が示す通りソファーへと導く。




私、友田が順に座ると、紺野さんは母のベッド脇にあるパイプ椅子に腰かけた。