【続】恋愛のやり直し方

「どうしたの?」



「え?あぁ、うん。 ちょっと探してくる」



背中で母の「どうしたの」という声がしたけど、それに応える間もなく私は病室を飛び出していた。





走り出したい気持ちを、病院だからとなんとか押さえながらも、ぎこちない早歩きになる。




トクントクンと早まる心臓

もしかしたら、帰ってしまったのかもしれない。



病室のドアなんて中の声が筒抜けもいいところ。



さっきの母とのやり取りで、突然友田を連れてきてしまったことを、軽率だったと反省したことを察して、帰ってしまったのではないだろうかと不安になる。


確かに、大人の行動を選べば、今日は一旦かえって、出直してきた方が良いのかもしれない。



だけど、



今日、母に会って欲しいという気持ちは、ここに来る前から1ミリもずれてない。



それは、1秒でも早く母に友田を紹介して、私たちの事を認めて貰いたい、
安心させたいという気持ちが大半。


それに加えて、友田を安心させたいという気持ちもある。




母に紹介することで、少しでも彼の安心材料になってくれればと思う。