【続】恋愛のやり直し方

「し、紹介したい人……いるの」



まっすぐ向けられていた母の目が一瞬大きく開かれたと思ったら、そのまま固まる。




「……お母さん？」


「え？あ、あぁ。ごめんごめん。綾ったらいきなりなんだもんビックリしちゃった」




ハハハと笑いながら、私に側に来るように手招きする。



「……うん」


「それで？いつ会わせてくれるの？」



母の手招きには応じずそのまま突っ立っている私を不振に思ったのか、「ん？｝と首を傾げる。



だけどそれだけで、あとは黙って私の言葉を待っててくれている。



母はいつもこうだ。



きっと、言いたいことは沢山あるのに、いつも私の言葉を待っていてくれる。




こうしていつも、守られていたんだと今なら分かる。


もっと幼いときは、何も言ってくれない母を冷たい人だと思ったこともあったけど。




だから、友田のことは自分の口からはっきり言いたい。



「実はね……もう来てるの」



「……えっ」



さすがの母も驚いてそれ以上の言葉は出ないようだ。