【続】恋愛のやり直し方

友田の胸の中で温かい涙を流した私は、この人と歩んでいくことを母に認めてもらいたいと強く思った


そして、心から祝福してもらいたいとも。





二人で手を繋ぎ歩く病室までの道はお互いに無言だった。


一歩近づく毎に緊張が増していく私。


だけど、不思議と逃げ出したい気持ちにはならなかった。




少し前の私なら、この状況から逃げ出すことばかり考えていたと思う。




個室の前。


母の病室を訪れる人は多い。
同僚や休憩中のドクター、ご近所さんもよく顔を出してくれている


私が訪ねると大抵は中から笑い声が聞こえたりしている。




誰でも入りやすいようにという母の心使いで、ドアは何か特別なことがない限り開けっぱなしだ。



なのに、今日は違う。
ドアが閉まっていて、中から話し声も聞こえない。




もしかしたら、清拭中なのかもしれない。



私は振り返り、友田にここで待つように言うと、コンコンと扉をノックした。