【続】恋愛のやり直し方

受付で面会者記録簿に、氏名を書いていると、いつもは無関心な受付のお姉さんの視線を感じる。



まぁ、視線の先は私ではなく友田なんだけど──




事務所の奥からもチラチラとこちらを伺ってる人が数人いる。




友田が本物なのか、似た人なのかを見極めてるんだろうけど、こういう不躾な視線は、等の本人じゃない私だって不愉快だ。




いっそ、受け付け簿に『友田直樹』と書けばスッキリして、放っておいてくれるのだろうか。





そんなことしたら、また、握手だのサインだの、ファンなんです。が始まり、面倒だ



『森嶋綾 2名』とだけ記入し、面会証を受け取る。





受付のお姉さんは、私に手渡しながらも、視線は友田の方へ向ける。




そのあから様な態度に心の中でチッと舌打ちしたい気分だ。





だから、イラついてついお礼をいうのを忘れた私。


代わりに友田は爽やかな笑顔で「ありがとう」と言った。




そして私から面会証を受け取り、私の数歩前を歩く。








「……あ」



「ん?」



首だけ振り向き、首をかしげる友田。