【続】恋愛のやり直し方

少し意地悪っぽく言ったのに、友田の顔は穏やかで、少しも動じない。


それどころか、クスリと妖艶に笑う。




「わがままな綾か……望むところだね」



「は?」



「甘やかして、綾が誰も寄り付かないほどワガママな女になったら、もう俺しかいないって思ってくれるでしょ。

そのくらいの独占欲まみれの男だよ俺は」





……降参。




しれっと顔色ひとつ変えずに、聞いている方が恥ずかしくなることを平気で言う。




きっと、この先もこの人には敵わない。





もう何度そう思っただろう。




私の固くて高い心の壁をすんなり飛び越えて、芯の芯まで突き刺さるような言葉を投げ掛ける。




突き刺さった言葉は、私のガチガチに凍った心を見事に溶かす。



ならば、壁なんて無駄なものいらない。



そんな回りくどいことなんてもういらないんだ。




直接彼の愛情を素直に受け取っていこう。



そして、素直な私に変わっていこう。