【続】恋愛のやり直し方

ううん。と首を振っている。




「人の縁に被害者も加害者もないの。それは必然で偶然。だから、それを責めても仕方ないの。

だけど、綾の事だから、ぜったい自分のことを責めてるって思った」




「……」



涙の後をなぞるように指を這わせる。




「大方予想はしてたよ。たぶん一人で泣いてるんだろうなってね。だけど、ちょっとは期待してた。もしかしたら俺の事頼ってくれるかも……てね」



「あ……ごめんなさい」



そんな気落ちでいてくれたなんて全然考えもしなかった。



「すぐに変われるとは思ってないけど、もう嫌なんだ。好きな女が一人で泣くの」



「うん……ごめん」




「だからさ、どんな顔だって態度だって俺は綾を呆れたり嫌いになったりしないから、綾の全部を俺の前に出して。

分かりづらくてもいいよ。俺、人の気持ち読み取るの得意だし、綾についてはもっと発揮できるし」



フワッと笑った顔にドキドキする。




この人、どこまで私を甘やかすのだろう。


さっき不安になってたことだって、全部お見通しのように、先回りして不安を払拭してくれる。



すごく安心できる反面、ちょっと悔しい。



私には絶対に同じことはできそうにないから。







「ありがとう……でも、そんなに甘やかしたら、私すごくワガママになっちゃうかもよ?」