「綾、こっち向いて」
そう言って私の顔にそっと触れた友田の冷たい手
「辛かったね」
「……」
優しく包み込むように甘い声。
友田が私を心配してくれてるのはその声だけで十分伝わる。
だけど、辛かったのは私じゃない。
立花さんの方だ。
だから、首を振って否定する。
声に出せば一緒に涙も流してしまいそうだから。
そして視線を交わらせること数秒。
友田の瞳がゆらりと揺れた瞬間──
ギュッと一文字に結んだ私の唇を解すように友田の唇が触れた。
温めるように触れる唇
その温もりが嬉しくて、そっと瞳を閉じる。
身体中の力が一気に抜けていく。
友田はずるい。
言葉という武器を持っているのに、さらにこうして言葉を使わずに私の心のなかに入り込む術を持っている。
どちらも私が逆立ちしても敵いそうにない。
そう言って私の顔にそっと触れた友田の冷たい手
「辛かったね」
「……」
優しく包み込むように甘い声。
友田が私を心配してくれてるのはその声だけで十分伝わる。
だけど、辛かったのは私じゃない。
立花さんの方だ。
だから、首を振って否定する。
声に出せば一緒に涙も流してしまいそうだから。
そして視線を交わらせること数秒。
友田の瞳がゆらりと揺れた瞬間──
ギュッと一文字に結んだ私の唇を解すように友田の唇が触れた。
温めるように触れる唇
その温もりが嬉しくて、そっと瞳を閉じる。
身体中の力が一気に抜けていく。
友田はずるい。
言葉という武器を持っているのに、さらにこうして言葉を使わずに私の心のなかに入り込む術を持っている。
どちらも私が逆立ちしても敵いそうにない。

