緑風館の買収はすごく簡単だったらしい。あっという間に王手。
買収はほぼ決定的になってもなお強気でいる腰越涼子さんを不振に思った立花さんは、その自信の源を調査し、
そこで初めて友田の存在を知ったらしい。
話す途中何度も「知らなかったとはいえ、綾に辛い思いをさせてごめん」と謝罪の言葉を口にした立花さん
いつも綺麗な立花さんの顔が歪む度、私の心にチクリと痛みが走る。
私が辛い思いをしたのは、立花さんのせいじゃない。
遅かれ早かれあのままの状態でいたら、今回と同じ状況になっていたと思う。
むしろ、もっと後になって気が付いてたら、もっと拗れてたと思う。
お互いを思い合いすぎて、本心から向き合うことを避けていた私達。
それに気付かせてくれたのは、紛れもなく立花さんだった。
感謝の気持ちはあっても、恨む気持ちはこれっぽっちも無い。
それを、立花さんに分かって欲しかった。
その思いだけで、自然と体が動いてしまったのだと思う。
気が付けば、私は立花さんの手をギュッと握り、もう一方で彼の頬を包むように手を添えていた。
買収はほぼ決定的になってもなお強気でいる腰越涼子さんを不振に思った立花さんは、その自信の源を調査し、
そこで初めて友田の存在を知ったらしい。
話す途中何度も「知らなかったとはいえ、綾に辛い思いをさせてごめん」と謝罪の言葉を口にした立花さん
いつも綺麗な立花さんの顔が歪む度、私の心にチクリと痛みが走る。
私が辛い思いをしたのは、立花さんのせいじゃない。
遅かれ早かれあのままの状態でいたら、今回と同じ状況になっていたと思う。
むしろ、もっと後になって気が付いてたら、もっと拗れてたと思う。
お互いを思い合いすぎて、本心から向き合うことを避けていた私達。
それに気付かせてくれたのは、紛れもなく立花さんだった。
感謝の気持ちはあっても、恨む気持ちはこれっぽっちも無い。
それを、立花さんに分かって欲しかった。
その思いだけで、自然と体が動いてしまったのだと思う。
気が付けば、私は立花さんの手をギュッと握り、もう一方で彼の頬を包むように手を添えていた。

