知らなかった。
立花さんが後継者として生きていく決心に私が関係してたなんて。
私とのことを、真剣に考えてくれていたなんて。
いつも冗談のように「好きだ」と言って
いた立花さん。
そして、友田への思いを見守り、背中を押してくれていた立花さん。
だから、そんなに真剣に私との将来を考えてくれていたなんて思ってもみなかった。
私は、知らない間にたくさん傷つけてきたのではないだろうか……。
「綾にそんな顔させたい訳じゃないよ。これは俺の勝手な思いだから」
「でも、私──」
「いいんだ。綾が幸せになればそれで。それに、俺には綾をこんな顔させられない」
「え?」
立花さんの手が私の頬を撫でる。
「さっき、潤みきった綾の顔を見たとき、柄にもなくドキッとしたよ。色気がダダモ漏れ。俺にはそんな顔させられる自信がないよ」
「……」
立花さんが後継者として生きていく決心に私が関係してたなんて。
私とのことを、真剣に考えてくれていたなんて。
いつも冗談のように「好きだ」と言って
いた立花さん。
そして、友田への思いを見守り、背中を押してくれていた立花さん。
だから、そんなに真剣に私との将来を考えてくれていたなんて思ってもみなかった。
私は、知らない間にたくさん傷つけてきたのではないだろうか……。
「綾にそんな顔させたい訳じゃないよ。これは俺の勝手な思いだから」
「でも、私──」
「いいんだ。綾が幸せになればそれで。それに、俺には綾をこんな顔させられない」
「え?」
立花さんの手が私の頬を撫でる。
「さっき、潤みきった綾の顔を見たとき、柄にもなくドキッとしたよ。色気がダダモ漏れ。俺にはそんな顔させられる自信がないよ」
「……」

