【続】恋愛のやり直し方

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朝靄の中、土手に立つ立花さんの姿は、なぜかそこだけ浮き上がるように目立っている。




長身な彼にピッタリな細身のスーツ。
シャキッと背筋が伸びている立ち姿は、初めて会ったコンシェルジュのときと少しも変わらない。




緊張を、朝のひんやりした空気を体いっぱいに吸い込んで落ち着かせてみるけど、やっぱり解けることはなかった。





「お待たせしました」


立花さんの背中に声かけると、それまで全く私の気配に気付かなかったようで、少しだけ驚いた様子の立花さんが振り向いた。



その姿は、いつもの立花さんらしくなくて、ついプッと吹き出してしまった。



それを見て、剥れる立花さん。





「ごめんなさい。いつも余裕な立花さんらしくなかったのでつい……。でも、お陰で緊張が解れました」



「それはどういたしまして。水の流れをこんなに静かに無心で見るなんて、久しぶりだったから、ちょっと油断した」