【続】恋愛のやり直し方

崩れ落ちる私の腰をしっかりと支え、チュルっと下唇を吸い上げるようにして唇を離す友田。




そのままコツンと額を合わせる。



あがった息を整える私に、クスッと笑った友田は、そっと私の頬を包むように手を添えた。




「アイツにしっかり綾の思いを伝えておいで。それから、俺も……助かったありがとうって言ってたって伝えて」


「え?……あ、うん、でも何で?」





友田のいう『アイツ』は、立花さんのことで間違いない。



何が「助かった」んだろう?




「綾は知らなくていいの。さ、俺の気が変わらないうちに、早く行ってこい」



そう言ってクルリと背を向けて、ベッドに戻り向こう側を向いて横になる友田。



その背中を見つめながら、これ以上聞いても友田は答えてくれないだろうと悟った。



「分かった。ちゃんと伝えるね。行ってきます」


言いにくいことなのか、言いたくないことなのかは分からないけど、今はそんなに気にならない。



友田も私を必要としてくれているってことが分かったから。



単純だけど、左手の薬指で輝くリングを一撫でして、部屋を後にした。