【続】恋愛のやり直し方

「……」



なにコレ。


普通こういうのは、言ってる方が恥ずかしがるはずなのに、聞いてる私の方が恥ずかしくて視線を逸らすとか……




恋愛小説家は日々甘い台詞を生み出す事を生業としているわけだから、こんなこ事どうって事ないのかもしれない。



けど。



活字で眺めるのと、耳にするのとはわけが違う。




ただでさえ、耳にはいってくるだけでトクンと胸高鳴るその声に、潤んだ感情を乗せられたら……




煽られ続けて熱を帯びた身体に 限界を超えた熱がもたらされる。




このままドロリと溶けるだけでは済まずに、蒸発してしまいそうだ。




組み敷かれた身体は自由を許されず、ギュッと目を瞑り顔だけ横に背けて、その視線と熱から逃れようとする。





すると鎖骨の辺りに柔らかな感触。
そして、チュッとやたら大きな音がして、チクリと小さな痛みが走る。