【続】恋愛のやり直し方

自分が今やらなくてはいけないことがハッキリしたから。




「立花さんありがとう」




「別になにもしてねぇよ。ホントに大変なのはこれからだろ?お袋さんの具合、悪くないといいな」



確かに、立花さんの言う通り、これからの方がずっと大変なのだ。



弱い私のことだから、今の決心が寸前になって尻込みしてしまうかもしれない。



それに、母の状態も不安だ。
私の知りたいことを全て知っているのは母だ。



その母の状態によっては聞くことができないかもしれない。

だけど、なぜだろう。
スッキリした心の高揚感からか不思議とそんなに悲観的ではない。



むしろ前向きな力が沸いてくる。



「そうですね。でも、少し自分のしなくてはいけないことが見えてきたから、スッキリと安心して母のことだけ心配できます」




「そっか……ちょっとは役立って良かったよ。だけど、『安心して心配できる』ってどっちなんだよ。

お前、物書きと一緒に生活してたんだろ?」


立花さんが、いつもの意地悪そうな顔をした。


いつもはヒヤッとするその顔も、今は、日常が戻ってきた象徴な気がして嬉しい。