私より先に駆けつけてくれていた叔母さんは、立花さんと私の事を完全に誤解し、「いい人見つけたじゃない」なんて肘で小突かれた。




否定したところで、思い込みの激しい叔母さんは信用してくれず、終始立花さんの品定めをしていた。



立花さんには申し訳ないけど、叔母の思い込みに付き合っている余裕もなかった私は、そのまま放っておくことにした。





察しのいい立花さんのことだから、叔母の視線の意味も分かっていたと思う。


だけど、なにも言わずに私のフォローに徹してくれた。





全ての手続きが終わって、病室のドアに手を掛けた所で立花さんは「外で待っている」と初めて私から離れていった。




その気遣いも立花さんらしい。




たくさんの管に繋がれた母との対面は、怖くて足がすくんでしまった。


息づかいも聞こえない母からは、生きている力みたいなものが感じられなかったからだ。