【続】恋愛のやり直し方

「綾……もしかしてお前……」



立花さんが怯えるような顔をした。



無言の私から全てを悟ったように「そっか…」と呟く




立花さんがずっと言えなかったのは、このことなんだろう。



自分が買収しようとしている緑風館が友だの実家であること。




そして、買収が進めば緑風館は友田を連れ戻そうとするだろう。
その時、彼の傍にいる私が邪魔になるということも。




だから言い出せなかったのだろう。



「綾、行こう。お前たちが別れる必要なんてないんだ。もう一度話し合えよ。俺も行くから」



そう言って右手を掴み、エレベーターの方へ歩き出す。




「ま、待って」



足を突っ張り抵抗する。



「なんでだよ。もう一度話せって」



「無理だよ。信じてもらえない。もうこれ以上傷つけたくない」



捕まれた右手をブンブンと振り払おうとするけど、しっかり繋がれた手は離されることはなかった。





「どういうこと?」



怪訝な顔で振り替える立花さんに、私は今あったことを話した。