【続】恋愛のやり直し方

俺を言う私を遮ったのは、唇にあてられた立花さんの長い指



首を横に振る立花さんはどこか悲しげに見える。




「綾を気遣ったつもりはないよ。俺が楽しかっただけ。

それに、俺は綾が呼べば何よりも最優先で駆けつけるし、俺の持ってるもの全てをお前に捧げてもかまわないよ。それが俺の気持ちでもあるし、罪滅ぼしでもある」




私に向けた言葉のはずなのに、どこか自分に言い聞かせてるような立花さんの態度に、違和感を覚える。



どこを振り返ってみても立花さんが私にたいして罪を感じるようなことが見当たらないのだ。




「立花さん……その『罪』って何なんですか?」



「それは……」



はっきりしない立花さんは見たことがない。


だけど、昨日から何度かこういう態度をすることがあった。




それが、私に関するものならば余計に気になる。



なのに、何か言いかけた立花さんははっとしたように口をつぐみ、その代わりにキラッと営業スマイルを見せた。



「綾、お腹空いてない?ルームサービス持ってきたんだ」