【続】恋愛のやり直し方

何度か受話器をあげては下ろすということを繰り返した後、突然馬鹿馬鹿しく思えてきて、すんなりとフロントへのダイヤルをしていた。




『森嶋さまおはようございます。ただ今立花がそちらへお伺いいたしますので、そのまま今しばらくお待ちください』




「あ、はい……」



パリッとした声のその人は、最後まで声色を変えることなく『では、失礼いたします』と電話を切った。




私はと言えば、呆気なく切れた受話器を手にしばらくボーッとしたまま突っ立っていた。




それは、あまりに呆気なさすぎて、あんなにかけるのを躊躇していた自分は何だったんだろう。





「そっか……」





考えてみれば、社長である立花さんがフロントにかけた電話に出るわけがない。




脱力感に教われ、そばのベットに突っ伏した。


フカフカのクッションは心地よくて、そのまま睡魔が 襲ってくる。