【続】恋愛のやり直し方

ばつが悪そうに私を見て、再びムニュッと頬を捻る。



今度は力が込められていて、ピリッとした痛みが走る。




「い、痛いです」



「仕返しだよ」



「何のですか」



「俺をこんな気持ちにさせたくせに、シレっと涼しい顔してるのが気に入らない」



再び捻られた頬。

でも、今度はそんなに痛くなかった。




頬を擦りながら頭をフル回転させる。




どの言動が仕返しが必要なほど立花さんの気分を害したんだろう




振り返ってみても思い当たるものが見当たらない。




「あの……何が悪かったのでしょう?気分を悪くさせたのならちゃんと謝りたいので」




「……はぁー」





恐る恐る聞いてみる。



なのに、立花さんの眉間のシワは一層深くなる



加えて盛大なため息。




相当怒ってるのかもしれないと思うと、体の奥からゾワリと恐怖すら襲ってくる。





立花さんから敵意が向けられているわけではないから、いつもの耳なりはしていない。



だけど、この空気の中に自分を置いておくことに限界を感じている。



すると、そんな私の様子に気づいた立花さんはニヤリと不敵に笑う




「綾には直球じゃなきゃだめだったね。

俺が困ってるのは、限界をしらないお前を好きだって気持ちだよ」