【続】恋愛のやり直し方

「ううん。あなただから忘れられるのよ。あの子のあんな優しい顔、久しぶりに見たわ。本当はお嫁に来てもらいたいくらいだけど、それは無理みたいね」



「え……」




ポンポンと肩を優しく撫でて無言で去っていく錦野さん。




全てお見通しだったってことだ。





呆然と彼女の後ろ姿を見つめながら、彼女のこれまでの人生の深さを思い知らされた気がした。





「綾?行くよ」



錦野さんと二、三言挨拶をした立花さんは、私を振り返り手招きする。




コクンと頷きそれに従い後に続くと、何やら困り顔で振り返る立花さん。



「どうしたんですか?」



「うん?……あぁ」




歯切れの悪いレアな立花さん。




もしかして…ピンときたかも。




「大丈夫ですよ。立花さんの子供の頃の話なんて聞いても、イメージが崩れたりしませんよ」



きっと立花さんは気にしてるんだ。錦野さんが話してくれたガキ大将だった頃の武勇伝。