【続】恋愛のやり直し方

目の前のご馳走に気分は急上昇。



自分でも現金だと思うくらい、ワントーン高い声が出た。




それに気付かないわけの無い立花さんは、ハハハッと声を出して笑ってから、一気にコップのビールを飲み干した。



空のコップに注ごうと瓶を向けると、やんわりそれを制する。




「いいよ。今日は気を使うのも使われるのも無し。自分のペースでゆっくりやろう」




そう言って手酌で注ぎ再び飲み干す。



確かに、気を使われるのも気を使う。

立花さんの毎日は、そんな事たらけなのかもしれない。





ご馳走になって申し訳ないと思う傍らで、今日くらい立花さんを解放してあげたい思う。





「分かりました。私も今日は思いっきり楽しんじゃいます」


「うん。楽しんで」




ニッコリ満足そうに笑う。



あ、こういう無邪気な顔初めて見た。




なんだか、自分が立花さんを楽しませたように錯覚してしまう。

自分が何かの役に立ったような……