【続】恋愛のやり直し方

どこか自虐的にも思える口調。



もしかしたら、このことは私に知られたくなかったのかもしれない。




このまま聞き続けていいのだろうか




「気を使わなくていいよ。結構有名な話だから」



「でも……」




戸惑う私に苦笑し、首を振るだけで答える立花さん。



「別にギクシャクした親子関係ってわけじゃないから。まぁ、家が家だけに世間一般的な親子関係じゃないけどね。

そんな経緯で、重役連中は隙あらば引きずり落とそうと躍起になってるってわけ」




目頭を押さえる立花さんは、肉体的な疲労だけでなく、精神的な疲労もたまっているようだった。



「あのーー」



せっかくのお休みなら、家でゆっくりした方がいいんじゃないですか？と言いかけたところで、声がかかり襖が開く。



錦野さんと共に数人の仲居さんが運んできてくれた色とりどりの食事。




少しずつ盛られた数々の小鉢をみているだけでも心弾んでくる。



あっという間に運ばれた食事と、いつの間にか持たされていたビールの注がれたグラス




「ごゆっくりどうぞ」と下がっていく仲居さん達の襖を閉めた音を合図に立花さんが「食べようか」とグラスを持ち上げた。




「はい。いただきます」