【続】恋愛のやり直し方

女将……錦野さんは『母です』と衝撃的な爆弾を残し「ごゆっくり」とニッコリ笑って襖を閉め去っていった。



静まり返る室内。




視線を襖から動かすこともできない。




「はぁー」と盛大な立花さんのため息に、思わずピクんと体を揺らしてしまった。




「あ、あのぉ。立花さん、今の女将の発言は……」



「うん。母親」




「え……あ、そうなんですね」



あからさまに面倒臭そうにいう立花さん。

もう、それ以上聞くことなんて怖くて聞けない。



頭の中にはたくさん疑問が浮かんできてるけど……



どうして名前が違うんですか?


立花さんのお母様ということは、大企業の社長夫人。

どうして料亭の女将やってんですか?



どうしてそんなに面倒臭そうにしてるんですか?


どうして……どうして……




時間が経つほど疑問が湧くのに、1つも解決されないまま溜まっていく消化不良



あ……少しだけイライラしてきた。