【続】恋愛のやり直し方

気を使わなくていいなんて言ってたくせに、こんな高級料亭につれてくるなんて。と立花さんを恨めしい顔で見る私。


なのに、シレっと私を料亭の中に率いれた。




出迎えた女中さんの後についてソワソワしながら部屋へ案内される。




彼女の挨拶が済んで、二人きりになった私はすぐに正面に座る立花さんに詰め寄ったんだ。





「立花さん！話違いますよ。もっと気楽に食べれるって言ってたじゃないですか！」



「だから、気なんて使わなくていいの。ここには俺と綾しかいないんだから」




「だけどーー」




その先の抗議言葉は、「失礼します」という襖の向こうから声がして途切れた。




そんな私の様子にクスリと笑う立花さんは、涼しい声で「どうぞ」なんて襖の向こうに声かけた。



「失礼します」という声と共に襖が開いて入ってきたのは、先程までの女中さんとはオーラがけた違いの女性が入ってきた。


一目で女将だとわかる。




母くらいのその女性は、柔らかく微笑みながら、私を見ると「あら」と少し驚いた顔をした。


でも、すぐに先程までの柔らかな微笑みに戻る。