部屋の調度品と雰囲気からここが立花さんの家ではなく、ホテルの一室なんだとわかる。



サイドテーブルに置かれた鎮痛剤の箱に添えられている立花さんからのメモに手を伸ばす。





『目が覚めたときに隣に居てあげられなくてごめんね。着替えと荷物はソファーの上に置いてあるから、支度が終わったらフロントに連絡して』




几帳面さがにじみ出る文字。



そして、ソファーに目をやると、紙袋と私の鞄。




立ち上がるとズキンと痛むコメカミを押さえながらソファーまで行き、紙袋を手に取る。




「………はぁ…」




可愛らしいシフォン素材のワンピースと、小さな紙袋



紙袋には、いつかのデジャヴ。




『立花ちゃん好みを揃えておいたからね。後でしっかり話聞かせなさいよ』




とハートいっぱいのメモ用紙。



見なくても想像はつく2度目の斎藤さんチョイスの下着。




「……これ、隠してない……」