【続】恋愛のやり直し方

「さて、あたしも暇じゃないの。ここまでに仕上げたんだから、さっさと出掛けなさい」



手に持ったコーヒーは渡されることなく、斎藤さんの口元へ運ばれた。


ズズっと啜り、チラリと私を見る斎藤さん。



そして、カップをソーサーに置き、ゆっくりと立花さんへ視線を移す。





「しっかりね。じゃないとあたしが遠慮なくいただきますから」



「分かってるよ」



真顔で言葉を交わした二人は、同時にフッと口許を緩めた。




「何のこと？」という私の問いかけに、ふたりそろって「秘密」と言われる。




「さ、行こうか」



なんだか一人だけ除け者にされたようで面白くない私の頬をプニュッと摘まんでから立ち上がる立花さん。




「綾ちゃん、かわいくないわその顔」



「だって……」



「行きながら話そ」





私を立ち上がらせて促すと、ニッコリ優しい微笑みを向ける。