【続】恋愛のやり直し方

そんな強い気持ちになれたのは、斎藤さんの魔法のおかげ。



「斎藤さん、私楽しんできますね」



自然と笑みがこぼれる。
すると、そんな私の顔を見た斎藤さんは目を細める。



「綾ちゃん……やっぱりあなたウチの店で働かない？悪いようにはしないわ。あなたならナンバー1にだってしてあげる」



冗談と思いきや、真剣な顔。



「む、無理です。私そんな度量ない」


ブンブンと頭を振る。



「そうね。あなたをラウンジの女の子にしたら大口の顧客二人のご機嫌を損ねちゃうわね。

でもね、その二人に幸せにしてもらえないなら、すぐに連絡して。いつでも迎える用意はあるから」




「……はい」


そんな日がくるとは思えないけど、でも斎藤さんが私を認めてくれてるいたいでくすぐったくて、嬉しい。




「さて、今夜のナイトのもとへ返してあげなくちゃね」




斎藤さんの後ろを追いかけながら、私の姿を見た立花さんの反応を考えるとドキドキする。




「あら…お疲れなのね」


前を歩く斎藤さんが急に立ち止まる。
背中で前が見えない私は、斎藤さんの背中から顔を出して前を見る。