【続】恋愛のやり直し方

だけど、今まで気づかなかった。



確かに父親には望まれた存在じゃなかったけど、そのことばかりに拘って忘れてた。



私には母がいる。



父親の分……ううん。その何倍もの愛情を注いで育ててくれた母。




その愛情のためにも、私は自分を否定してはいけない。





……なんで気づかなかったんだろう。





目の前がパーっと拓けていく気がする。

そんな私の感情の変化を悟ったのか、斎藤さんが再び後ろから優しく抱き締めてくれる。




「ふっ。綾ちゃんのその素直な感性好きよ。こちらが与えたもの以上を感じてくれるその素直さが、周りの人間には眩しく見える」



「斎藤さん……ありがとう」




込み上げてくるものを堪えることができなかった。


それは、一番大切にしなくてはいけないものを、今まで見過ごしてきた後悔と、今気付けてよかったと思う安堵感が入り交じって、一気に溢れだした。