【続】恋愛のやり直し方

「最近はさ、単身の入居者がやたら増えてきてね。『いってらっしゃい』『おかえりなさい』の言葉が欲しいってニーズが増えてるんだ」



「そうなんですか」




ここに住める人達は皆、世間では成功してる人にカテゴられる。


だけど、どんなに成功しても人の温もりを感じていたいと思うのが、人間なんだ。





「で?何食べたい?」


真新しいコンシェルジュデスクの奥からチャリンと車のキーを出してきた立花さん。



キュット絞められていたネクタイを緩め、ワイシャツの一番上のボタンもはずす。


その姿を見ながら、あぁ、この人絵になるななんて思いながらボンヤリと見つめていると



「ボケッとしてると、ウチに連れ込むよ」






意地悪な立花さんの笑みが近づいてきてきた。




慌ててブンブンと頭を振る私に「冗談だよ」とクスリと笑う。



「さて、リクエストがなければ勝手に決めちゃうけどいい?」



「あ、はい」