【続】恋愛のやり直し方

真理子の大声にキーンと耳鳴りがする。


こんな時にもかと、自分で呆れる。


そんな私のことを一瞬にして悟った真理子は泣き出しそうな顔をして「ごめん」と呟いた。





「ううん。真理子は悪くない。これは私の問題だから」



言い終わってから、突き放すような言い方になってしまったと後悔した。



未だ下をうつ向いている真理子の頭を見つめながら、今自分にできることを考えてみる。




彼女のお腹にある新しい命。





生まれる前から父親がいないハンディを背負ってる。

片親のハンディを知る私ができる事………それは




少し狭くなっている真理子の視野に、しっかりと現実を見せること。




「真理子、その子の父親に妊娠を知らせないって言ったけど、どこかからアナタが妊娠してるってこと伝わったりしないの?」



「それは………ある。でも、この子はその人のこじゃないって言うわ」



「真理子はそう言ってもその人が信じるはずないでしょ?」




ギりっと唇を噛み締めて黙る真理子。

ストレスをかけることがお腹に良くないってことは分かってる。

だけど、今ここでしっかりと真理子とお腹の子どもの未来のためにやめるわけにいかない。