竜くんに守るべき人ができたのは、とても喜ばしいこと。
もっと浮かれて報告したかったに違いない。
なのに、私がこんなだから。
彼にせっかくの幸せを悔やませるような言い方をさせている。
「竜くんに守りたい人ができたのってすごく素敵なことなのに、そんな謝ったりしたら相手の人がかわいそう。
私は大丈夫。ね、今度その人に合わせてね」
こぼれる涙は止められなかったけれど、できる限り明るい声で話したつもり。
だって、それは私の本心だから。
竜くんにはしっかりその人と幸せになってもらいたいと思う。
私の言葉を聞いてもなお曇った顔の竜くん。
だけど、今の私にはこれ以上竜くんの事に気を使えるほどの余裕はなかった。
「ごめんね竜くん。私また少し寝るね。なんだか疲れっぽくてハハハ……」
竜くんの返事を聞かずにさっさと布団の中に頭まで潜り込んだ。
「分かりました。ゆっくり寝てくださいね。あと、センセには坂下さんの家に綾さんがいるってことだけ伝えてありますから」
そういい残して部屋を出ていった竜くんの足音を聞きながら、パタンとドアが閉まる音を確認すると、押さえていた涙が決壊したダムのように溢れてきた。
口を押さえて声を殺して泣いた。
もっと浮かれて報告したかったに違いない。
なのに、私がこんなだから。
彼にせっかくの幸せを悔やませるような言い方をさせている。
「竜くんに守りたい人ができたのってすごく素敵なことなのに、そんな謝ったりしたら相手の人がかわいそう。
私は大丈夫。ね、今度その人に合わせてね」
こぼれる涙は止められなかったけれど、できる限り明るい声で話したつもり。
だって、それは私の本心だから。
竜くんにはしっかりその人と幸せになってもらいたいと思う。
私の言葉を聞いてもなお曇った顔の竜くん。
だけど、今の私にはこれ以上竜くんの事に気を使えるほどの余裕はなかった。
「ごめんね竜くん。私また少し寝るね。なんだか疲れっぽくてハハハ……」
竜くんの返事を聞かずにさっさと布団の中に頭まで潜り込んだ。
「分かりました。ゆっくり寝てくださいね。あと、センセには坂下さんの家に綾さんがいるってことだけ伝えてありますから」
そういい残して部屋を出ていった竜くんの足音を聞きながら、パタンとドアが閉まる音を確認すると、押さえていた涙が決壊したダムのように溢れてきた。
口を押さえて声を殺して泣いた。

