【続】恋愛のやり直し方

竜くんの行動の意味を知ったのは、ティッシュの上のできたシミ。



あぁ、泣いてたんだ。





「綾さん………」



「ごめんごめん。何で泣いてンだろうね。自分から飛び出しておいて今さら泣くなんて………まったくいい迷惑女だね」




竜くんの困惑した声がして、 慌てて引っ込めようとするけど、一度流れ始めたものは、なかなか止まってくれない。




これ以上竜くんにみっともない顔をさらすわけにもいかず俯くと


「綾さん」と、切なげな声で私の名を呼ぶ竜くん。


そして、 そっと私に手を伸ばす彼の手が視界に入ってきた。





だけど、その手は私に触れることなく引っ込められる




「すみません。俺……触れないです」


「うん。大丈夫」




自分を責める竜くんの声。



「綾さん。俺、綾さんの事大好きでした。ううん。今だってホントはこの手でその震えてる肩を抱き締めてやりたいって思ってます。

だけど………俺、決めたんです。あの人
守ってやらなくちゃって」




「………うん」



「だから……すみません」