【続】恋愛のやり直し方

確かにえりさんのいってる意味はよく分かる。


緑風館といえば、旅行雑誌やテレビなんかでも必ず取り上げられるような大きくて有名な高級旅館だ



正直、友田がそこの一人息子だって聞いたときは、あまりに自分とかけ離れた世界過ぎて実感もなかった。




だけど、友田がそこの跡取り息子だとして、亮子 さんもえりさんもどうしてそんなに私に敵意をむけるのだろうか？




そんな私の疑問を感じ取ったのか、えりさんはうんざりした顔をして 大きくため息をひとつ吐いた。





「アナタって、ホントに馬鹿なのね？ここまで言ってもまだ分からないの？

あのね、直樹が緑風館の跡取り息子ってことは、その妻も緑風館の女将………つまり、あの旅館を仕切っていかなくてはいけないのよ？

アナタにそれができて？」



「えり、綾には緑風館の女将はさせるつもりはないよ」




私に向けられたえりさんの視線を遮るように友田が静かに割り込んできた。