【続】恋愛のやり直し方

………え?




今、何て言った?



たしかーー


「直樹と私、結婚するの」


って言ってた?




え?




「結婚したいのじゃなくて、『するの』ですか?」



こんなとき、ドラマや小説なら『何言ってるのよ!』と、勢いよく胸ぐらを掴みかかる位の事はするのかもしれない。



だけど、半ばパニック状態の私が口にしたのは、まるで他人事のような疑問だった。




彼女にとっても私の反応は肩透かしだったようで、少し苛ついたような声を出した。



「そうよ。結婚『するの』よ」



「………」



きっぱりと言い切ったえりさんの顔を見て、イタズラに引っ掻き回そうとしてる訳では無い事は分かる。



さて、私はどうしたらいいのだろう。



突如突き付けられた結論は、あまりに唐突すぎて、私の感情が揺れる余裕も与えてくれない。





例えるなら、いきなり小説の最終頁を読まされたような感覚。






その時、私の横で深いため息を漏らした友田。



そうだ。
当事者は私と彼女だけじゃない。




友田に聞けばよいのだ。