【続】恋愛のやり直し方

『動き出したこと』『お母様も望んでない 』という二つの言葉が胸のなかに引っ掛かった。



彼女が友田の母親と面識があるのは当然だと思う。


従姉妹だから




だけど、頭では分かっていても、何故だかすんなりと受け入れられない自分がいる


私は、友田の親族に会ったことはない。
それどころか、どんな人なんだということも知らない。



嫌でもえりさんの方が友田を知っているということを、自覚させられる。




そんな私の顔を見て、なにかを悟ったえりさんの目の色が 変わった。



それは、私に同情するような目ではなく、獲物を捉えた瞬間の獣のような目立った。




それまで友田の顔をみていた彼女の顔がゆっくりと私の方へと向けられる。


何かある。と身構える私。

だけど、予想に反して彼女は私に向かってニコッと微笑んだ。



拍子抜けした私の目に、彼女の刺さるような視線が向けられる。



「森島さんだったかしら？アナタ、直樹が背負っているものご存じよね？


まさか、お気楽な恋愛小説家なんて思ってないわよね？」