【続】恋愛のやり直し方

それはひどく甘えた口調だった。



声だけ聞けば、彼氏に甘えている彼女のようだ。



えりさんは、チラリと私に視線を向けると、さらに続けた。



「きっと、その人がなかなか別れ話を、受け入れなくて、手こずってるのかな?とは思ってたけどね。直樹優しいから強く言えないんでしょ?

だから、私が白黒はっきりさせてあげようと思ったの」



えりさんの話をボーッと聞きながら、やっぱり親子は似るものだと思った。


その美しい口から出てくる言葉は、決して穏やかな内容ではないのに、彼女の、表情はとてもにこやかに、楽しそうだ。




まるで、彼女の口を借りた誰かが話しているような……そんな錯覚に陥る。



昼間、彼女の母親に感じたものと同じ感覚。



それでいて、しっかりと私の心に傷をつけていく言葉



彼女の言うように、友田は私に別れ話をしたのだろうか?


いつものように察しの悪い私が気づかずに、彼を困らせていたのだろうか?



そんな思いがふと過り、自然と友田の顔を見る。



すると、そんな私の顔を見た友田がフーッとため息を漏らし、私の手をガシッと掴んだ。