【続】恋愛のやり直し方

お腹の底にグッと力を入れて、二人の待つリビングへと足を進めた。



向かい合わせに座る二人。


張り詰めた空気から、二人に会話はなかったみたいだ。
たぶん、友田が私を気遣って話をさせなかったんだと思う。



「どうぞ」とえりさんの前にコーヒーを置くと、すぐにカップに 手を伸ばし口に運んだ。



その仕草で、彼女も緊張しているのではないかと感じる。

だとしたら、少しだけ安心できる。
だって、生身の人間と感じられるから。




友田の前にもカップを置くと、隣へ座るように少しだけ座った位置をずれた。


それに従い友田の隣へ座ると、正面からえりさんの視線を受ける。




鋭い視線に耐えられず俯くと、友田がゆっくりと話始めた。



「で?何でここが分かったの?亮子さんに聞いた?」



友田の口調はせめているものではなかったけれど、少しだけ嘲笑しているように思えた。



それを、えりさんも感じ取ったのだろう、グッと息を飲んだのが分かった。


だけど次の瞬間、パっと花が咲いたような可憐な笑顔を浮かべ



「そうよ。母に聞いたの。だけど、直樹が悪いのよ?だっていくら待ってもなんの音沙汰もないんだもの」