【続】恋愛のやり直し方

『腰越』



その名前で彼女の不躾な態度の理由が分かった。


そして、彼女に会ったことのあるような感覚も納得できた。

彼女は、彼女の母親である腰越亮子にそっくりだ。




単なる偶然ではないだろう。
私が腰越亮子に会ったのを彼女は知っているはずだ。



友田とちゃんと別れたのかどうか確かめに来たのだろうか


彼女の正体が分かったのと同時に、新たに生まれてくる様々な疑念。



答えが見つかる前に次から次へと新しい疑問が浮かんでくる。


『消化不良』



もう、自分がどんな顔をしてるのかなんて考える余裕もなかった。



「クスっ。直樹、確かに従姉妹だけど、もっとちゃんと紹介してほしいわ。私たちの関係について。ね?」



頭も心もグチャグチャになっている私を見て、彼女は友田に甘い声で何かをねだるような声でそう言う。



『私たちの関係』




その言葉にピクンと反応した。





その反応を友田も見逃さなかった。
私の手をいっそう力強く握り返す。


そして、私の顔を見てニコッと笑った。
その目は「安心して」とでも言ってるようだ。


それに答えるように無言で頷く。




「ここで立ち話もだし、入ろうか?」



友田は、えりさんに向かって、なんの表情も浮かべずにそう言った。